イラスト受注などフリーランスのような働き方(会社勤めですが自宅で仕事をしているので)を始めて1年が経ったが、依然当初から感じていた「イラスト制作の価値の低さ」は変わらない。それはイラスト受注の仕事と同時にWEB制作の受注も行っているからなおさら感じる。
▼1年前の仕事を始めた頃の記事
「イラスト制作の相場を探ってわかったこと」
イラストの受注は基本的にクラウドソーシング経由なため、それ以外の相場は分からないし、おそらくクラウドソーシングはそれ以外と比べるとかなり安いと思われるが、大体イラスト制作の相場がわかった。
私の経験では、一般的なWEBサイトの制作(デザイン~構築まで)を1とすると、同じ時間を使ったイラスト制作(例えばA2サイズくらいのデジタル納品)には大体1/5くらいの対価しか支払われない。これでもいいほうかもしれない。
絵は雑用程度の価値しかないのか。
愕然とした。
だけれども、このイラスト制作とWEB制作の違いは明確なものがある。
それは、「成果物が次なる利益を生み出すかどうか」だ。
例えば自動車を作るとき、本体価格を安くすればお客さんにも売れる。そのためには部品の仕入れ額を値切ったり、安いものを選んだりするだろう。
それと同じで、「イラスト」も出版物や印刷物やWEB上での【部品】なのである。
絵やイラストというものが利益に結び付きにくい理由は、まさにこれだ。つまり経費なのである。発注する側はもちろん、なるべくコストを抑えたい。だから払う対価も絞りに絞る。
だがWEBはどうだろう。
作るのは土台であって、広告を貼ればそこから利益が、ECサイトなら注文が入る。更新をすればするほど集客ができまた利益が出る。発注側からすると、WEB制作は経費ではなく投資。自動車の例で考えれば、自動車工場を建てるようなものか。(自動生産ロボットでもいい)
先の利益を考えれば、対価も弾む。
これをもとに考えれば、もう少し「イラスト制作」がビジネスに近寄るのではないだろうか。(誰がやっても同じな、単なる下請け作業ではなくなる)
そもそも利益の出るイラストとは何なのか。
ひとつは、当たり前ではあるが人を引き寄せるイラスト。出版物ならそれを見て「綺麗」「なんだこれ」「細かすぎて見てしまう」などつい手に取ってしまうイラストのこと。やはり個性のあるイラストは対価も高い。対象に興味を持つことから購入につながるのは周知の通り。WEBのバナーなら、クリックされる。
ふたつ目は、間接的に利益が生まれるイラスト。つまりそのイラストを使う側が何かしらのクリエイティブな作業の時短になり会社の利益につながるもの。いわゆる「素材」というジャンル。
今のところ利益が出る可能性があるのは、この2つのカテゴリーだろうか。イラスト制作としては対価が高いし、利益の結果が明確に出る。
もちろん経費となる部分のイラスト制作をする人も必要だが、誰にでもできるような仕事を選んでする必要はない。相当お金に困っているなら数で稼いでいくのもひとつの手段ではある。そういった場合でも、その仕事を目標にしてはいけない(と私は思う)。
利益のないイラスト制作を受けてしまうと、大したこともしていないのに膨大な時間が食われる。時間の余裕がなくなれば、頭も働かなくなる。まずは一旦落ち着いて、イラスト制作での考え方を見直したほうがよいだろう。
走り書きになってしまったので、表現が間違っているところがあったらごめんなさい。